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(俺が勝手に仲が良いと思っていただけで、本当は昔から両親の関係は破たんしていたのかもしれない……)
いや、両親はいわゆる『でき婚』だったが、俺の誕生をそれはそれは喜んでいたと、親戚中から聞いていた。事実、父さんは俺の事をとても可愛がってくれていた。一体どの辺りで父さんは『やり直したい』と思うようになっていったのだろうか……。
(もっと、もっとだ!もっと前だ!)
俺はどんどんさかのぼっていった。
そして、俺にとっての運命のあの日に辿り着いた。
「そうだ、今日だ……」
朝のテレビのニュースに映る日付を見て確信した。そう、この能力に初めて気がついた、小学生だったあの日に戻ったのだ。
(でも……)
もしかしたらこの日以前には戻れないのかもしれない。事実俺は今まで、この日より前に戻ってやり直した事がなかった。
その日俺は長い一日を過ごした。何度もやり直した結果のわかっている一日。
「今日よりも過去に戻れますように、戻れますように……!」
その夜ベッドに横たわり、いつも以上に強く、強く念じた。
翌朝、目覚めた俺は少し靄が掛ったような感覚に襲われた。
「……?戻ってるよな?」
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