Go,Back

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テレビで日付を確認すると確かに過去に戻っていた。ただ、漠然と過去に戻りたいと願ったのでどの辺りの自分なのか、はっきりしなかった。 「俺はここで何をやり直せば良いんだろうか……」 はっきりしない頭で、何をしたら良いのかわからないまま、その日は一日が終わってしまった。 「どこだ、どこなんだ……」 虚ろな頭で俺はどこかにある、分岐点を探していた。きっと、どこかにある筈の『幸せな家庭』への分岐点を……。 夜中にトイレに起きると、その日も両親は声を殺しながら言い争っていた。俺は急いで部屋に戻り、ベッドの中で泣きながら祈った。 「どこなんだよ!一体どこに行けば……!」 真っ暗闇の中、泣きながら強く願った。俺はただ行き先を知りたかっただけなのだ。 翌朝目が覚めると、今までとは明らかに様子が違っていた。靄の掛かったようなあの感覚がずっと強くなっていて、声を出すのがやっとだった。 「あ~、あ~、ぅんぶ~」 俺の目に映ったのは記憶の中にある母親の姿よりも、ずっと若い母親の姿だった。 (?!一体どういう事なんだ?!) 「はいはい、よしよし。ワタルはイイ子でしゅね~」 軽々と俺を抱き上げる母親。 (そんな!戻り過ぎたのか?!) いまいちはっきりしない頭で考えたが、戻ってしまったものは仕方がない。未来にはやり直せないのだから……。     
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