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おどおどしながら挨拶した俺を見た担任は、それでも満足そうに眺めて自分の仕事に戻っていった。 「まさか……まさか……」 俺は得体の知れない恐怖と戦いながら、下校時間がくる事に脅えていた。 下校途中、俺はまたあのY字路にたどり着いた。 「わあぁぁぁ!!!」 悲鳴のような大きな声を上げて、俺は通学路を走って帰った。 「おかえり」 家に帰り着くと、いつも通りの母親の姿にほっとした。 「早かったわね。手を洗って、おやつにしなさいね」 言われるまま、手を洗いおやつを食べた。 「おかあさん……、あのさ、僕……」 「なあに?」 「ううん、何でもない……」 言いかけてやめた。きっと信じてもらえない。それどころか、心配性の母親の事だ。きっと頭がおかしくなったと思って病院に連れて行かれるに違いない。 俺は自分の部屋にこもって、幼い頭ながらに考えた。考えに考えて出した答えは、過去に戻って『やり直せる』力があるのではないかという事だった。 とても信じられないが、それ以外に納得出来る答えは他に見つからなかった。 どうして過去に戻ってしまうのか。 そしてどうしたら過去に戻れるのか?     
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