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真琴の肩に顎を乗せた歩が「誰かさん心配だし、近くにいるよ。また瀬戸みたいなのがいつ現れるか分かんないだろ」と、一連の出来事を危惧して付け加えた。
「瀬戸さんは特殊でしょ? それにあの人はアメリカのプロジェクトに飛ばされたらしいから。左遷されて、自業自得」
陽太の集めてくれた証言や資料が決め手となって、瀬戸はクビかアメリカ行きかを提示されて、結局左遷される方を選んだのだ。
クビになると、這い上がるは至難の技。
と言っても、アメリカのそのプロジェクトも成功の見込みは薄いと社内ではもっぱら囁かれているプロジェクトなのだが。
真琴は手を上げたことには注意をされ減給もされたが、事情を理解してくれた会社側の意向でそれ以上の処罰はなかった。
しかし、いろいろ考えた末に真琴は会社を変えることを決断するに至った。
プロジェクトに起用した人物と同棲していたのも、なんとなく自分の中で引っかかりを覚えたからだが、陽太をはじめ佐藤などチームメンバーが引き留めてくれたのは嬉しかった。
歩が言うほどの長い休暇とはいかなかったが、それでも相当長期の休暇に入って、歩とゆっくり時間を過ごしていた。
「沖縄。楽しみだけど……」
真琴がぽつりとこぼす。
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