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唖然として用紙を握っていた真琴は突然 面を上げて歩の部屋を出て、自室に駆け込んでいった。
そして、クローゼットを開けて旅行鞄を取り出すと、その中に入れたままにしておいた自らのパスポートを掴んで、めくった。
有効期限は問題ない。
次に、デスクの上に置いてあるノートパソコンを広げて電源を入れた。
インターネットで渡航認証を申請しないとならないのを確認して、すぐさまそれに申し込み、認証がおりる頃を考えて飛行機のチケットを手配した。
迎えに行かなくちゃ。
私も仕事を首になるかもしれないけれど、少しくらい蓄えはあるし、そんなことよりこんな仕事歩にやらせていいわけない。
バタバタと考えつくだけの準備をしていく。
引っ張り出したトランクに服を投げ入れて、それが終わると退職願をインターネットで検索して、それを書いていく。
手と止めてしまうといろいろ考えてしまう。
せっかく歩が自分を犠牲にしてまで、真琴が仕事をやって行けるようにプロモーションに参加してくれたのに、それを怒りに任せて瀬戸を殴り、ふいにしてしまった事とか。
謝らなくちゃ。
何から何まで。
ある程度やれることをやってしまうと、真琴は自分の不甲斐なさに疲れて、ベッドに倒れ込む 。そうすると一日の疲れが一気に襲ってきて、いつの間にか眠りに落ちていった。
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