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もぞもぞと歩の腕の中で身動きする真琴を、歩がもう一度しっかりと抱きかかえる。
「真琴が困るような状況になるのが嫌で仕事を受けたのは確かだけど、別に真琴が今回仕事を辞めたことはいいんじゃね? くらい。人を殴ることは良くないかもしれないけど、アイツが相手だしな」
歩の腕の中で見上げる真琴に、歩が視線を落として額に唇を当てる。
「なんだかんだ、飛ぶ機会ができて、それを真琴に見せられたから……俺としては別になんてことないし。むしろ、アイツの下で働いてる真琴を心配するくらいなら、辞めてくれた方がさっぱりするけどな」
歩の手が胸元のタオルを引っ張るから、真琴がそれを掴み直す。
「真琴、手どけて?」
「ちょっと! ダメだよ! 大事な話してるのに」
「仕事行かないんだろ? いいじゃん」
腰を掴んでいた歩の手が太ももに移り、下からバスタオルをめくろうと試みている。
真琴は右手でバスタオルの胸元、左手で下から手繰られていくバスタオルを押さえた。
明るい室内で首に舌を這わされて、真琴は焦りながらだんだん脳の回路がショートしだしていく。
歩がいいって言ってるしそれなら良いと思いつつ、部屋の明るさに気後れしたりして、ちょっとばかり何が何だか分からない。
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