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昨日から作家デビューした。
まあデビューといっても現役中学生だから〆切が程遠い。
(ゆっくりやるか~)
早速、筆記に取り掛かかろうとしたら、電話がなった。
「はい。もしもし 赤穂 心彩です。」
「〆切の日時やで~」
その声は先週お会いした担当さんだった。
「へ?どうしたんですか? 担当さん」
「少し待ってくれや」
玄関から鈍い音が聞こえた。
「担…当……さん?」
ワイシャツにスラックスを着ていて、土足で上がってきた。
そして。
(あ、これが人生の難問奇問の一つってやつか…)
彼はチェーンソーを持っていた。
「もう〆切やでー」
何をとぼけているのかこの人は、
「あのー〆切まで六ヶ月あるんですけど」
「〆切は絶対やでー」
(あ、だめだ)
私はとっさに台所へ行き包丁を手に取った。
(いやーお父さんからナイフ《包丁》の投げ方教わってよかったよ)
「エイッ」
私は右肩が外れるように、肩の付け根に向かって投げた。
紅の血しぶきが担当さんの右肩から流れ出た。
しかし。
右肩がボコボコと膨れて直っていたのである。
「心愛さーん、痛いじゃあないか……」
そう言いながらチェーンソーを私に向けながら走ってきた。
(やばい…あれ最近流行りの異能だ…初めてみた…勝てっこないじゃん……)
私はパニック状態になっていた。
(お父さんならどうする……お父さんならどうするの……)
ここは、実銃のあるお父さんの部屋に行こう。
私は、急いで“二回へ逃げようとした”
が脳裏に電撃が走った
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