|one day《ある日》

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「相手との戦いで緊張が一番の天敵だ」 「そして緊張が高まるとパニックに(おちい)る」 そう、お父さんがいっていた。 パニック状態は負けたの同然。 私はお父さんに勇気を貰った。 そして選択肢が変わった。 このまま外に逃げる。 「担当さん」 「なんや、はよ原稿だせや」 「あなた誰かに追われてますね」 「いいから、原稿だせ~!」 確かにさっき車が庭に入って来る音がした。 この時間帯は絶対に身内が来る時間ではない。 私は、横に振ってきたチェーンソーを(かかと)で蹴り落した。 「たあァ!」 (少しでもずれていたら右足が粉微塵(こなみじん)になっていたぜ) 少し痛む右足の踵を気にせずに玄関へ走った。 「玄関から少女が出てきました」 「やっぱりあの子が狙いだよ」
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