時計~世界の中心~

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時計~世界の中心~

ザワザヮ…… 輝く太陽に向かってスッと伸びる木々が風に揺れ、快い葉音を奏でている。 ブロロロロー…… 「僕が聞いた話ではね。」 そんな葉音の中、唸るようなエンジン音と共に若い人間の声が聞こえた。 「世界全ての時間がそこで進んでいる…。とか、広場の大きな時計が印象的だ…。その国が無くなったらこの世界全てが終わる…とか。そんな話だった。」 ザァ… と再び風が森を揺らし、遠くで鳥が飛び立った。 少ししてからまた、声が聞こえた。 「不思議な国だな でライはその国に向かっていると。」 次に聞こえたのは低い男の声だった。 「そういう事だ。…珍しいな、ダークがちゃんと聞いてるなんて。」 ダークと呼ばれたものはライの近く、どこにもいなかった。 「…そうなのか……今の話は独り言だったのか…」 「いや…そういうことじゃなくて。」 ライは即答した。
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