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〔 ねぇ…本当にこっちでいいの?はり…? 〕
「うん。間違いないよ。」
うん、うん。間違ってないよね、うん。こっちを通ればいいって言われたし。
今、私・はりは時計台の裏に向かっているんだ。…なんでって?
〔 ねぇ、はり…本当に行くの?師匠が言ってたけどさ…危ないよ……? 〕
小さな無線機ごしにばらが心配そうに聞く。
…あ。ばらが言う師匠とは、広場の大きな時計台を長年守り続けてきた、伝説のスパイなんだ。
「大丈夫、だいじょーぶ。師匠に弟子入りして、合格したんだから!ー…んで?次は左だっけ?」
〔 …右だよ、はり…。 〕
少々呆れたばらの声がした。 右かー。逆だー。
そんな師匠に憧れて弟子入りしたのが5年前。それからようやく合格したのが昨日の夕方。
夕日が西にしずんでゆく 現在8時。
真面目に開始!!
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