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 色が違うためぱっと見は分からなかったが、このスマホは自分の携帯と同じ機種だということに気付く。 「…………」  電源のボタンに指が伸びた。  何年か前、夫の携帯を盗み見た時の事を思い出した。いけないと思いつつ、つい電源ボタンを押してしまう。  大丈夫。夫の時だって気付かれなかった。 ちょっと見るだけ。彼氏とどんなお付き合いをしているか、少し確認するだけ。ちゃんとカバンに戻しておけば分かりっこない。  それに早苗だって悪い。  親を頼って実家住まいをしているくせに、将来のことも彼氏のことも、肝心なことをちっとも親に話してくれないのだから。  暗証番号は郵便局の通帳と同じだった。  フォルダを開き、受信メールにさっと目を通す。 「…………えっ?」
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