プロローグ

2/4
前へ
/407ページ
次へ
 課長を、押し倒した。    ここ最近、私は不幸続きだ。  彼氏と別れたり。  別れたと思ったら、復縁を迫られたり。  課長を、うっかり押し倒してしまったり。  ドミノがそうであるように、 私へと倒れ掛かってくる不幸は、 徐々にその規模を増していった。 そして課長との一件は、 さらに多くの牌を倒していくであろうことを予感させた。  ……冗談じゃないよ。  なにしろ、相手が悪かった。 掬月絢斗(きくづき あやと)は全女子社員の、 そして一部の男性社員の憧れでもあるのだ。
/407ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1720人が本棚に入れています
本棚に追加