1720人が本棚に入れています
本棚に追加
「……なんて顔してるんだ」
「いや、
人の顔のこと言えませんよね?」
「い、
意外に僕はモテるんだぞ。
ホントだぞ」
「そこ突っ込んでませんよ。
言動のことです」
マグカップに口をつける。
飲みごろになったカモミールティーは、
私の心を安定させてくれるだろうか。
「私が助けたのは課長より先に車に気付いたからです。
男も女も関係ありません。
だから、
プライドが傷つく必要なんてないんです」
「分かってないな。
虐めた人間がいくらじゃれていただけだと弁解しても、
虐められた側があれはイジメだと感じれば、
それはイジメなんだ」
「説教は逃走中の轢き逃げ犯にでもしてください。
私よりずっと適任ですよ」
「適任かどうかなんて、
この際どうでもいい。
要は君が悪いんだ」
なんて雑な責任のかぶせ方なんだ。
最初のコメントを投稿しよう!