課長が私に仕える理由

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「ぎゃー!」  思わず叫ぶ。 だってそれ、完全に私の唇が触れた所じゃないか。 「確かに美味い」 「なに普通に感想述べてるんですか!」 「述べたらいけないのか。 ご想像にお任せしますとか言わなきゃいけないのか」 「そこじゃないですよ!」  無意識にやっていたのだろうか。 「あのな千紗、 間接キスくらいで騒がれたら、 これから先どうすれば良いんだ」 「また自覚してたんだ!」  呼び捨てだしこの先どうなるか私こそ不安だし、 いろいろ言いたいことが多すぎる。  目を閉じて、一つ深呼吸をした。 再びカモミールティーを飲み、心を落ち着ける。 何が原因かは知らないが、 とにかく掬月課長の暴走を止めなくてはいけない。 確かに彼はカッコいいが、しばらく男関係はごめんだ。 冷静に課長に説明して、責任とやらを取るのを諦めて貰おう。
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