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彼は見た目が良い分、
異性には恵まれていたのだろう。
だから、
今までは何をやっても許されてきたのかもしれない。
部下だから言いづらくはあるが、
ここできっぱりと言っておかなければ余計な誤解を受けてしまう。
そう思って彼を見つめていると、
何かを悟ったように、
ふっと笑った。
私の言ったことを真摯に受け止めたらしい。
と思ったら。
「まさか、
千紗の方から告白されるとは思わなかった」
「え?」
「特別な人にすべきことをやったのだから、
彼女にしろということだな。
お前の気持ち、
受け取ったよ」
……この人、
バカなのかな。
女に恵まれ過ぎて、
きっと人間としての大切な部分が欠けてしまったのだ。
でなければ、
やっぱりただのバカだ。
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