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「チャラい男のトークに引っかかるほど、私は純粋じゃありません。
残念でした」
「お……俺のどこがチャラいんだよ」
「ケーキが登場して以降ずっとですよ」
他人に無関心な彼は表の顔で、これが本当の彼だったのだ。
さっきの彼女さんも、こんな男が恋人では大変だろう。
これでは、軽口に勘違いしてしまう女性が山ほど出てきそうだ。
――彼は誰にでも優しいし、勘違いする女は多いわ。
今なら、さっき彼女が言った言葉も理解できる。
――絢斗の中身なんか、何も知らないくせに。
でも、今なら知っていると断言できる。
温和で優秀なわが社のプリンスは、ホストまがいのチャラ男だ。
「……間接キスしたことか? あれが嫌だったのか」
「え?」
「確かに俺が反省すべき点があるのは認める。
が、男なんて一皮むけば大体が変態だ。
口には出せないような願望の一つや二つ、紳士のたしなみのようなもんだ」
ここに来て変態宣言されるとは思わなかった。
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