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と、隠し撮りのビデオカメラなんかの機材を持った数人の生徒が出てくるんじゃないかっていう不安を拭い去れなかった。
「本気だから!」
さつき先輩はニッコリ笑った。
「この間、目の不自由なおばあさんが、信号を渡る時、助けてあげたでしょう。偶然見たの」
そういえばそんなことがあった。僕にとって特に印象に残ることじゃなかったけど・・・
「私。君のことが気になって、こっそり見てた。そうしたら君って、親切な子だって分かった。困ってる人見ると、自然と声をかけてしまうんだって・・・
昨日、迷子の子どもをあやしてるの見た時、とっても可愛かったよ。
何だか本当に可愛いお母さんみたい・・・」
ちょっと不可解で、よーく考えると意味深々すぎる褒め言葉だった。
僕自身、そんなこと言われて照れてしまった。
その後も、映画や遊園地に連れてってくれた。
僕はさつき先輩に気にいってもらえたことが嬉しくて誇らしくてしかたなかった。
手をつなぐくらいだったけど、さつき先輩の白くてビロードのような肌に直接、触れるのが嬉しかった。
さつき先輩が僕をどうしたいのかを知るまでは・・・
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