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自己紹介したり、好きな食べ物やテレビ番組を聞いたりして、女の子の気がまぎれるようにしていた。
その時だった。
「貴様。何してんだ」
男の怒鳴り声‼︎後ろから肩をつかまれた。
振り返ると・・・
ピンクのTシャツを着た男の人。金髪に大きな金のピアスをブラブラさせていた。
「パパ」
女の子が叫んだ。
「この変態ヤロー」
いきなり頬を殴られた。女の子を抱いたまま、その場に倒れてしまった。非力だけど、何とか女の子を振り落とさないで済んだ。
女の子がまた大声で泣き出す。
「うちの子に何するんだ。テメー!」
男の人はそう僕を罵った。どうやら誘拐犯と間違えられたみたい。
母親らしい人が飛んできた。長い付けマツゲに派手なネイルが目についた。
「どうしたの!」
「こいつにさらわれるとこだった!」
僕は女の子を手放した。女の子は母親の方に走って行った。僕は立ち上がって事情を説明しようとしたが、立った途端、また殴られた。
「ロリコンヤロー」
僕らの周りを人の渦が取り囲んでる。
「警察、呼んでやるよ。サイテー」
母親が僕を敵意のこもった目でにらみつけた。
「変態ヤロー」
父親に今度は胸倉をつかまれた。
その時だった。
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