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男がハッとしたように後ろを向く。
ブレザーの女子が父親の腕をつかんでた。
同じ中学の先輩。
肩まで伸ばした髪。切れ長の目。一見、やさしそうに見える。でもよく見たら・・・
自分以外の誰にも負けないって強い優越感が漂ってる。
形のよい鼻と口。色白の肌。
誰もが振り返る美しさ。
身長も高い。たぶん一メートル九十センチ近く。
ほとんど太腿が見えるも超ミニスカートからスラリとした脚。黒のハイソックスと白い脚が絶妙なコントラスト。
学校中、誰もが知ってる女性。
美影さつき先輩。一年先輩で、次期生徒会長、間違いなしって話。
一年の同級生ったら、いつもさつき先輩の噂ばかり・・・
「何すんだ」
男がさつき先輩の手を振り放した。
「いい加減にしてください」
さつき先輩、さっちゃんの両親を見回した。
「娘の命の恩人でしょう。この少年。
あんたたちが祭に夢中でほっぽりだした娘さんに声かけて、助けようとしてたんでしょう。
サイテーなのはあなたたち。娘より祭が大事なんですか?」
さつき先輩の声って大きい。
「そうだ。そうだ。俺も見てたぞ」
「その子は悪くない。いつでも証言してやる」
「サイテーな親だな。育児放棄か!」
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