フォール・イン・ラブ

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 いつかは恋をするんだろうなとは思っていた。 けれどまさか相手が大木悠太君だとは思ってもみなかった。 大木君はクラスの中でも目立たない大人しい男の子で、女の子に声をかけることなんか滅多とない。 平均的な容姿、平均的な学力、友達も野郎ばかりのどこにでもいる男の子だ。 同じクラスになって五か月以上になるけれど、眼鏡をかけているので目が悪いのかなぐらいの認識しかなかった。 それが二学期の係を決める時に彼と同じ美化委員になった。 美化委員というのも平均的な生徒がなる役員だ。 つまり私も見た目や学力、運動神経、どれをとっても平均的な女子ということになる。(笑) 大木君は男子には珍しくちゃんと委員会に出席してくれたので、真面目な人なんだなーとは思っていた。 クラスでの掃除当番を決める時にはホームルームで積極的に発言して、皆に今年の美化委員会の目標を説明してくれた。 そして掃除する場所のローテーションもさっさと彼が決めてくれた。 先生への報告は、コーラス部の部活のついでに私が報告書を持って行った。 うちの担任は音楽の先生なのだ。 しかしその報告書を書いたのも大木君だ。 大木君から報告書を渡された時、意外と綺麗な字を書くなぁと思ったことを覚えている。
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