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「いい、い、委員長!?」
ホームルームがはじまる前の教室は騒然となった。
学校の制服という見慣れた格好の委員長の不自然な部分を一つあげるとすれば、頭につけている冠であろう。その見た目は、ファンタジーゲームなどに出てくる装備アイテムのようだった。
なにはともあれ、『歩くマジメ』と評される彼女からは、想像もできないアクセサリーだ。
校内での口紅やイヤリングすら許さない彼女がいったいどうしてこんな奇抜なことをしたのか。だれもが抱いた疑問を、しかし、口にする者はいない。
おまえが聞けよ、と無言の押しつけあいをする中、彼女は教壇の前に立ち、いきなり宣言した。
「聞け! ナノは救世主なのだ!」
どゆこと? 教室にいた全員が目を丸くしていると、彼女は言葉をつづけた。
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