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 炊飯器にお米を仕掛け、待ち時間の間にシャワーを浴び、レトルトカレーを鍋で温める。  一応「具沢山カレー」ってやつを選んでるから、ジャガイモとかにんじんがゴロゴロしてる。本当はちゃんと作りたいけど、一人だとどうしても面倒くさくなっちゃうんだよね。  炊けたばかりの熱々ご飯にカレーを掛け、カレー皿を左手に持ち、スプーンを口に咥えリビングへ移動。ソファに座りながらリモコンを掴み、テレビの電源を入れた。  食べ終えた頃、ソファに置いていた携帯が鳴る。  手を伸ばし携帯を見る。実家の姉ちゃんからだった。  なんだろ? 「もしもし?」 『あ、(ただ)ちゃん良かった。あのね……』 「へ? うん。うん。容態は?」  母ちゃんが入院したって連絡だった。でも、深刻な状態じゃないらしい。過労だって。 『お母さん、忠ちゃんには言わなくていいって言ったけど、連絡したからね。土日に顔出せる?』  そんな言い方されたら「うん」と返事するしかないよね。  勿論、心配だから行くつもりだけどさ……。
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