希う

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例年より早く咲いた桜は陽気も続き、花見客に花吹雪をもたらしている。 鬱と身体の痛みで数日横になってばかりだったが、陽気と桜やほかの花々に、気持ちも上向き、身体が軽くなったように感じた。 久方の 光のどげき 春の日に テレビの中の桜は人混みと時節柄、騒ぐ口実にしているだけだ、人混みは怖い、色んな声が乱反射し身体が竦みわけもなく何処かへ消えたいのに動けなくなって、疲れ切って心身を目の荒いヤスリで削られているようになって…. 仕事は好きだ、友達と遊ぶのも、読書も裁縫も好きだ なのに、全てが私を削る ひと月の療養を頂いたのも、申し訳なくて自分の全てが無価値で不要で、半月は何かを払拭したくて家事に没頭したが。 「なんで、桜の木の下にいるとこんな気持ちになるのかな」 「だから、昔からみんなわざわざ遠くに行ったりしたんじゃない?」 一緒に引っ張りだした妹と桜や春の百人一首をあれこれ話しながら、解れていく。これからも生きたいと思える。 大木だが、桜の花は小さく色や花弁は薄く儚く、その花が季節に一気に輝きの時期を作る。 一年の大半をこの時期の為に備えて、また次の時期を作る準備をする。 私も、また生を楽しむ為に準備している、だから今は休んでいいのだろうか。また疲れたら、否、疲れ果てる前に桜の木の下の春を思い、休んでもいいのだろうか。 心の春を希う
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