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 私はぐんと伸びをした。朝日が差し込む部屋で、主人を起こしにかかる。ベッドに飛び乗り顔をぺろぺろなめた。  やっと起きた主人が出してくれた餌を食べ、私はひょいとタワーに飛び乗った。 「キャットタワー買ってよかったでしょ」  私がタワーに上ると主人は嬉しそうにした。  私は、最近、飼い猫をやっている。 「行ってきます」  主人は最初、会社に行くだけで緊張していたのに、もう今は意気揚々と出かけて行く。    もう一度伸びをして考える。元々自分は猫として生きるのが向いていたのだな、と。 ――二度と会社には行きたくない。人間としての人生なんてまっぴらだ。
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