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 終業時刻になってすぐ、イケメン同僚の真島さんが話しかけて来た。  実はひそかに憧れている人だ。 「猫は大丈夫?」  ちゃんと話したことなんてなくて、どぎまぎしていると、信じられないことを真島さんは続けた。 「食事に行ったとき言ってたよね? 飼い猫の調子が悪いって」  さっと血の気がひいた。猫の体に入っている間、感じたことはなかったけれど、花から見るとおかしいところがあったのだろうか。  猫は、死期を悟ると一人になるという習性を聞いたことがある。もしや、花は自分の死期を悟り、急に入れ替わりを解除したんじゃないかと思い当たった。  私は、真島さんをほっぽって会社を出た。 「花! どこにいるの」  近所をくまなく探した。なぜか、真島さんも追いかけてきて一緒に探してくれている。 「花!」  公園の植え込みでうずくまっている白猫を見つけた。
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