山道

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山道

険しい坂道が続いている。地面はぬかるみ、季節外れの枯葉に足をとられる。 私は軽装で来たことを後悔し始めていた。所詮は都内の山......と高をくくっていたのだ。山岳部の経験があるとはいえ、学生時代の話である。本格的な登山なんて、もう何年もしていない。 時刻は14時を過ぎていている。早く崖まで辿りつかなければ。こんなところで野宿はごめんだ。 苔むした切り株を見つけ、腰を下ろす。それからペットボトルの飲料水に口をつけた。数時間前に飲み干してしまい、中身は空っぽだ。 何もかもが予想と違っている。 こんなはずじゃなかった。 でも、今更そんなことを言っても、どうにもならない。
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