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GW最終日は、何もせずに終わった。急に何かをするのは難しい。でも、筋トレだけは少しした。
細い体でも、肉付きが良ければマシに見えるんじゃ無いかと言う浅はかな考えだ。他に意図なんてないさ。
そんなこんなで、高校最後のGWは終了し気持ちを入れ替え、むしろ高らかに授業に挑むのだった。
五月六日木曜日、八時四十五分。
HRの鐘の音が鳴り終わる前に、着席した僕は隣の陽平に声をかけられる。
「相変わらずギリギリな登校だな。ところで、一限目の現国の宿題やってきたか?」
「あ..忘れてた..」
出鼻を挫かれた気分だ。まさか、宿題があったとは。
それにしたってGW中に一回も存在を思い出すことが無いとは..本当に僕は学生か。
「皆、おはようー。GW中は楽しく過ごせたかな?大学受験も近づいているから今日からまた頑張っていきましょうね!」
担任の伊藤先生は今日も元気一杯だ。大学受験と言う言葉にまたしてもダメージを負った。
高校最後の年は、高校で最も勉強しなければならないのだ。人にもよるのかも知れないが。
一限の鐘の音が鳴り、久しぶりの授業が始まった。
当然の如く、僕は名前を呼ばれないように顔を伏せていた。
僕のクラスは、C組。理系コースで四十人近くの生徒が共に勉強をしている。
コースには、スポーツ、理系、国際、芸術、音楽と五つに分かれている。
単純な文系は存在せず、外国語のエキスパートを目指す国際コースが存在している。
他のクラスとの交流は滅多に無い為、あまり関係ない話だが。
無事に先生から当てられることも無く午前の授業も終わり、至福の昼食時間だ。
弁当の唐揚げを堪能していると、急に廊下が慌しくなる。
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