殺し屋

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和子はピクピク動く、血の気のない白い顔を俺に向けたまま、 「殺れるものならあ・・殺ってみなあーー」 細い首をグラグラさせて抑揚なく喋った。俺を見ていた目は、今はもう完全に逝っている。 「さああ・・殺ってみろ」「さああ・・早くしなあーー」 グラグラ揺れる首は今にもポトッと落ちそうだ。 「はやくしろお・・やってみろお」 「やれよ・・やれやれれれ」 「れれれーーーー」 そのしつこさに俺は、 「まったく、れれれれ、うるっせーよ!」 「アンタはもう、死・ん・で・る・のっ!」 俺は渾身の捨て台詞を吐き、喋り続けようとする死人を丸っと無視して部屋を出た。 リビングのドアを閉めると同時に、ドアの奥でドサッと人が倒れる音がした。 「ああ面倒臭いババァだったぜ。」 依頼はもう少し調査選別が必要だと思った。死んだ事にも気づかない鈍感な奴が、一番たちが悪い。 どうよ、これが忘れられない”殺しの案件暫定一位”だ。 あくまでも暫定だけどな。(終)
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