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俺は若夫婦の留守に仕事を決行した。
和子はリビングのソファでのんびりテレビを見ていた。俺は一切音を立てず、その背後にピタッと付いた。
間髪おかず左手で和子の額を抑えると、右手のナイフを左の首筋にブスッと深く刺し込んだ。
そして喉を通って右側に・・ググーッと一気に引いた。それは俺にとっては実に簡単な仕事だった。
血飛沫はそれほど飛ぶ事はなく、血はただ下に大量に流れていく。そのまま和子は倒れると思いきや、ぎぎぎいーっと妙な音を立ててゆっくり俺に振り向いた。
「お宅・・どちらさん・・?」
和子は流れる血を気にする事もなく俺に訊ねる。どうみても普通は即死してるはずなのに和子はまだ話している。
「ははあーーん・・有紀のしわざだなあ・・」
顔は斜めに歪んでピクピクと痙攣している。
さてさて俺はこれ以上どうすればいい。
もうほとんど和子の体内の血は、その足元のカーペットまで流れ出ていた。
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