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二つの指輪を見ながら、一つ頷き、落ち着くまでは婚約指輪ということにしてもらった。
「もう今日から帰さないから。荷物もって俺の家においで」
「引越し、二回もするの?」
「もうここも出来てるんだけど、手続き終わるの待って二人で引っ越そうか。でも、必要なもの持っておいでよ」
「うん」
その後、事務所に連れていかれ、サインの入った婚姻届を社長である叔父様に渡される。
「成之、お前には負けたわ」
「どういう事?」
「うん、俺断られること考えてなくてさ。叔父さんに保証人のところ書いてもらっておいたんだよね。もう一人は透ちゃん!」
「後はお前達が書いて、私が預かればいいんだろう?」
叔父様が預かる理由としては、成ちゃんが暴走しないようにという事だったが、言われるとよくわかる。
さっきもすぐに役所に行こうと言っていたから。
「あの、不束者ですがよろしくお願いします」
頭を下げると、これでやっと、本当に叔父さんになれたと喜んで貰えた。
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