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社長室で婚姻届を書いて預かってもらった後、今後出入りするからと、事務所にいる人たちに紹介され、まだ外には漏らさないようにとの社長の一言に全員が了承する。
「さてと。今後の話は二人で決めなさい。と言いたいところなんだが、スケジュールで空いてる時に引越しをしないとな。手続きはこっちでやっておくから、えーと……お前の要望を叶えるとすると、年内に引越し出来るな。ここしか空いてないが」とニヤッと笑う。
その指さした日にちを見ると、クリスマスの前日。
分かってて空けたんだとチラリと二人を見る。
「悪いが、業者はうちの知ってるところにして欲しい。亜希さんの家の方は……」
「家具って家具もないので、洋服とかだけであとは処分しようと思います。別の部屋で寝るのなら持っていきますけど」
「亜希ちゃん!酷い!」
「だって……もう決まってるんでしょう?」
「断られないと思ったんだもん!」
「亜希さんは仕事はどうするのかな?」
「三月までは。と思ってますけど、こんなに言ってくれているので、年内に出来たらしようかなと。その後は考えてませんが……」
「家に居てよ!」
と、悲痛な叫びが社長室に響く。
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