ひとり暮らしの女が

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 どうやら私の髪質は他人よりも異様に感受性が強く、それがパーマの掛かり過ぎた原因らしい。 「ミコちゃんゴメンネェ……、アタシも良い勉強になったわ」  白目を剥いて放心状態の私を見て、お兄さんは非常に申し訳なさそうにしていたが、過ぎたるは猶及ばざるが如しである。  それより直ちに元に戻せないかと訊くと、髪へのダメージが洒落にならないので無理らしい。  かくして、実験に失敗した博士のような頭で、しばらくの期間を過ごす羽目になった私。  学部内でもあまり目立たない、控え目で大人しい女の子と思われていた私である。そいつが突如アバンギャルドなヘアスタイルを伴って現れた事件は大きな反響を呼び、違う意味ではモテていたかもしれない。マリコは腹を抱えて笑っていたが。  元はと言えば、あんたが唆したせいでもあるんだからね……。  この大惨事を経験して以来、私は無謀な冒険に走ることなく、一貫して無難なショートボブ~セミロングヘアで通している。
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