春の海、ひねもすのたらず

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 さて、ニィニィと私を呼ぶ愛娘の声に目を覚まし、時計を見ると既に正午前であった。  もぞもぞと這うように起き出し、再びモコにミルクを与え、朝食兼昼食の世界一美味い日清UFOを喰らい、いつもの防波堤に向かった私。  竿を持たず、手ぶらでのお散歩である。  夕方からの出撃に備え、事前の情報収集を怠らない私なのだ。  昼間から頑張っていた常連のオジサマに状況を伺うと、どうやら久し振りにアジの群れが回ってきているらしい。ポツポツと散発的にではあるものの、冬場より一回り大きなアジが釣れているようだ。  ふむふむ、では今宵の晩御飯は新鮮なアジのタタキにするか……。  但し、かなり遠投を要するとのことなので、仕掛けにはよく飛ぶような工夫が必要だ。ちょっと重めのジグ(金属製のルアー)を持って行こうか。
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