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アンダースーツを装着し、ヘスティア・メイル本体へ近づき、秀樹に言われるままに操作をすると、たい焼きの型が半分ぱかっとあくように、開いた。ちょうど人が一人入れそうなスペースがある。
誠が、おっかなびっくり体を併せると、開いていたメイルが閉じて、適度なプレッシャーと共に体にフィットする。
ちょうど両目のあたりは、VRディスプレイのように、NowRadingのメッセージが出ていた。
この手の機械の起動シーケンスというのは、二十年やそこらでは変わらないようだ。
文字が流れるように表示されていく。
流れが早く、読むことはできなかったが、システムの起動チェックを行い、問題が無い事を示しているようだ。
最後に、見覚えのあるロゴが表示されて、表示が切り替わった。周囲が見える、首を動かすと、それに併せて視界も変化しているようだ。
「こういうのをAIが全部処理してるって事なのか?」
思わずつぶやくと、誠の声に反応したのか、まるで答えるように声がした。
『はじめまして、マコト、わたしはエスティア・メイル、シリアルナンバー3、駆動補助用AI、サードとお呼び下さい」
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