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家が近所で、幼い頃から一緒にいた。
仲良くなったのはいつからだったっけ。
そうだ、あいつが小学生の時は体が小さくて、周りのクラスメイトの奴にからかわれていたんだった。
それを助けたのがきっかけだった。
それからは俺を慕うように後ろを付いてきた。同じ年なのに弟のように思って、小さいながらにこいつを守らなきゃと思ったんだ。
今となっては、あの可愛らしかった風貌はどこへやら。面影はあるものの、すっかり大きくなって、軽く身長を越されてしまった。
でかい図体しやがって。
寝転んで雑誌を読むこいつの尻を思い切り叩く。
「っ!痛ってー…なにすんだよ!」
「なにも。」
「ひどくないですか、何もしてないのに。どんな親に育てられたのか見てみたいもんだ。」
「毎日見てんだろ。」
「そうだった。」
家が近所なのもあって、こうやって毎日のようにどちらかの家で勉強すると言って遊びに行っている。部活は引退して、もうすぐ受験だ。
それなのに勉強もせず、こうやってだらしなく過ごしている。弁解するようだが、二人共、短時間で集中して勉強するタイプなのだ。頭だけはそれなりに良い。親に感謝している。
卒業したら、別々の進路に進む。
俺は地元の大学で、こいつは都会の大学。
一緒に居られるのも、残り僅かだ。
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