明日の私も好きでいて

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   私は、彼女のことなどほとんど何も知らない。『彼女らしさ』なんて何も分からない。だって私と柚木さんは昨日初めて会ったばかりなのだ。  だけれど今日の彼女は、昨日の彼女とは雰囲気が違うように感じた。  〝私は柚木朱莉。先生に頼まれたの。分からないことがあったら何でも聞いてね〟  〝教科書ある? 数学、前の学校ではどこまで進んでたのかな〟  彼女はこのクラスの優等生らしかった。授業中急に当てられてもすらすらと答えていた。転校生の私のお世話係を頼まれているところを見ると、先生からの人望も厚いようだ。それが、昨日の柚木さんの印象。  人見知りの私は、彼女のその世話焼きで、落ち着きのある雰囲気に安心していた。それが、まさかこんなに大胆に授業をサボる人だとは思わなかった。 「……柚木さん、今日お休みかと思ってた。授業出なくていいの?」 「いいの。もう十八回も聞いて飽きちゃった」  私はその言葉の意味が分からず、黙り込む。すると彼女はさらに理解し難い発言をした。 「私、今、タイムリープしてるの」  
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