明日の私も好きでいて

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   タイムリープ。何度も同じ日を繰り返している。  からかわれているのか何なのか、分からなかった。付き合いの浅いクラスメイトをあからさまに疑ってかかるのも怖かったし、そんな嘘のような話を頭から信じて馬鹿にされるのも怖かった。 「……本当?」  伺うように、横になる彼女の視界に入る。柚木さんは寝っ転がったまま、視線だけをこちらに寄せた。 「柏原真由。四月二十三日生まれ、牡牛座。一人っ子。前の学校ではバレーボール部。転校理由は……家庭の事情」  急に、メモでも読んでいるかのように話し出す。  それは全て私のことだった。昨日私は柚木さんと一日一緒に過ごしていたが、名前以外はまだ教えていない情報だ。 「知らないと思うけど、私もう何回も真由とお話してるんだ。私がこの話をしたら、真由が私のタイムリープを信じた回数五十六回。つまり、百パーセント」  柚木さんは空を見上げ、くすくすと楽しそうにしている。  呼び方が、昨日までは『柏原さん』だったのに『真由』に変わっている。  何度も今日を繰り返す中で、柚木さんの中の私は随分と仲のいい存在になっているようだった。そう言われると、とりあえず信じるほか無かった。 「……本当? 本当に? そんなことって、あり得るの?」  私は笑い続ける彼女に詰め寄った。 「ねえ……。あり得るみたい、何故か。この説明も、もうし飽きたんだけど……夜寝て朝起きたらまた『十月六日』に戻ってるんだ。あり得ないよねえ」 「いつから?」 「分かんない」  数えきれない程らしい。柚木さんは首を傾げている。  
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