明日の私も好きでいて

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   タイムリープ。同じ日を繰り返す。そんなこと、あり得るのだろうか。  ……あり得たとしたら、どんな気持ちなのだろうか。  未だ半信半疑ではあるが、私は何と声をかけたらいいのか分からず柚木さんの横に座り込んだ。そのままぼんやりと、前方のグラウンドを眺める。  フェンスの向こうには楽しそうにサッカーをする生徒の姿が見えた。  こちらとあちらでは、なんだか違う世界のように感じた。 「よし、『おいしいもの』食べに行こう」  急に、柚木さんが口を開く。  そうだ。私は屋上にお昼ご飯を食べに来たのだ。持ってきていたお弁当箱を見たら、急にお腹が空いてきた。  しかし柚木さんの口ぶりは外で食べるかのようだ。もちろんそんなこと学校では認められていないし、今から外に出れば五時間目に出ることはできない。 「……あの、まだ……世界は滅亡しないと思うけど?」 「真由はしないだろうけど、私の明日は滅亡するの。よし、パンケーキ食べに行こう! まだチャイム鳴ってないよね? こっそり鞄持ってきて!」  柚木さんはがばりと起き上がると、私の腕を掴み屋上の入り口へと向かう。  パンケーキは私の一番好きな食べ物だ。 「……私、柚木さんにどこまで話してるの……?」 「好きな食べ物は昨日聞いたじゃん。ね、柚木さんじゃなくて朱莉って呼んで」  そう言えば、昨日のお昼休みにそんなことを話した。でも柚木さんの言う『昨日』は、彼女にとって何日前の話なのだろうか。  私は彼女に引きずられるように、屋上の階段を降りた。  
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