明日の私も好きでいて

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   小さいこと? 小さいことか。  私の、夢は……。  考え込んで、私は気付くと柚木さんの目を見つめていた。  ふと思い付いたその言葉は、少し言い難い内容だった。 「私はね、今叶ったよ」  黙る私に、柚木さんが助け舟を出す。生クリームの最後の一欠片を満足気に口に運ぶ彼女を見て、吹き出しそうになった。 「そんなに、ここのパンケーキ食べたかったんだ」 「ううん、違う違う。答えは明日、教えてあげる」  ……明日。  柚木さんが言うには、彼女は『十月六日』を繰り返している。  彼女に、明日は来るのだろうか。 「あの……」 「よし、次行こう! 私、明日世界が滅亡するなら行きたいところがあるんだ」  柚木さんは唐突に立ち上がった。宙ぶらりんになった言葉を飲み込み、私も慌てて彼女の後を追った。  
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