二章

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「まぁ! 韓栄様に縁談のお話が? 素敵!」 韓度が父と話している一方で胡翠は韓栄から仔細を聞き、自分のことの様にはしゃいだ。反面韓栄は溜息を漏らしながらやる気のない物言いをする。 「会って話をするだけよ? それに正直、私はあまり結婚に興味無いの」 「でも韓栄様は美人ですし、独身では勿体無いですよ」 「それを言うなら胡翠よ、可愛らしくて男の人が好みそうじゃない」 韓栄がそう言うと胡翠は真っ赤になって否定する。 「あら! 嫌だ韓栄様、そんなこと無いですよ、私は!」 そんな奥ゆかしい振る舞いが、非常に男性受けする事を韓栄は知っている。実際街に一緒に出掛けると、胡翠はしばしば男性に声を掛けられたりオマケをもらえたりする。貞淑、清楚は男の大好物だと、美人と褒められても謙遜一つしない韓栄は肌身で感じている。別に構わないが。 「今度、家に来てもらうから、おもてなしは宜しく頼むわ」 「はい!」 にっこり笑って返事をする彼女は、女の韓栄から見ても大変可憐で、流石の気難し屋も少しは故翠を見習って、多少愛想を良くする努力はするべきだと感じた。
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