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翌日、韓度は昼休みに食事を取っている夏侯優に接触した。
「韓度様、どうされたのですか?」
夏侯優は韓度がわざわざ昼休みに訓練場を訪れた事を不思議に思う。
「渡したいものがあって来たんだ」
韓度はニコニコしながら夏侯優に文を渡す。
「文……韓栄殿ですか?」
韓度は首を横に振る。目で読んでみろと促され、夏侯優は素直に言う通りにする。
「胡翠殿からですか、あんな花にわざわざ御礼の手紙なんて良いのに」
夏侯優は目を細める。
「しかし、可愛らしい文字ですね。何となく丸っこい」
「字は人柄を表すと言うしな」
韓度は頬を赤らめる夏侯優の反応を狡猾な瞳で見つめていた。夏侯優は笑みをたたえながら胡翠の手紙を読み終えると明るい声で言った。
「近いうちまたお伺いすると伝えて下さい。韓栄殿と、胡翠殿に」
「勿論、胡翠にも手紙を喜んでいたと伝えておくよ」
「! ……よろしくお願いします」
夏侯優は照れ臭そうに頭を掻いた。
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