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「個体差はあるけど、全高が大体6mくらい。2本足と太い2本腕の生体兵器で、パワーは折り紙付き。飛び道具を使う頭は無いけど、瓦礫とかを握って振り回すのと、適当な物を投げてくるくらいの知恵はあるわよ」
『じゃあ、正面から殴り合うのはやめた方がいいな。俺が使える銃も無いし』
「もちろん。力比べなんてしようものならあっという間に鉄屑にされちゃうよ。オススメの戦術は一つ!」
俺の顔をビシッと指さして見上げ、金髪の子が言う。
「足元にある物を掴んで何でもかんでも投げつける! 相手が焦れてこっちに来たら小刻みに曲がって逃げて、また何でもかんでも投げつける! 段差とか窪みとか、使えるモノは全部使うの!」
『物凄い泥臭いな!』
「石を無限に現地調達しながら相手に消耗を強いれるのよ? 君の体力が続く限り行える、最高の射撃方法に違いないわ!」
低めの身長などなにするものぞ。金髪の子は自信満々な表情で腰に手を当て、割とある胸を張った。
そのどうだと言わんばかりの態度に気圧される形で俺は答える。
『じゃあ、まあ、まずはそうしてみるよ』
「うん! でも、その場の判断の方が大事だからね! 自分の直感を信じて!」
冷静に考えると他にも良い手はある気はする。が、この子から発せられる雰囲気というか、やたらとエネルギッシュで妙な安心感のある声にやられてしまうのが最近の常なのだ。
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