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そしてふと思い出したような顔をし、金髪の子は続ける。
「ああそれと、サイクロプスは大きな体に似合わず意外と隠れるのが得意なの。旧市街は廃墟だから隠れる場所なんていくらでもあるし、危険だと思ったらすぐ逃げて良いから」
「大丈夫ですよ。シルベーヌ」
横合いから、清涼とした声が朗らかに響いた。
声の主は、銀色の髪をうなじで一つにまとめた少女だ。自分の身長程もある大きな銃の点検を終えた銀髪の少女は、たおやかな笑顔を浮かべる。
「私が隙を無くすように動きますから、心配しなくても大丈夫です」
銀髪の少女はそう言うと、大きな銃をひょいと片手で持ち上げた。
銃とはいうものの、本来は装甲車の上に装備されるような、太い弾丸を撃ち出す機関銃だ。
「まあ、ミルファがそう言うなら大丈夫だろうけど……でも、怪我とかは本当に気を付けてね? ミルファがいくらアンドロイドでも、私はもう腕が千切れたりするのを見たくない」
「もちろんです。修理費も馬鹿になりませんしね」
心配そうに言う金髪の子。シルベーヌに向けて、銀色の髪をした少女。ミルファはにこやかに微笑む。
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