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「洗ってやろう」
ギクリと身体をかたくするルーファスは、気付いている。私がこれで終わらないということを――。
そう、正解だ――。
口付けると、ルーファスは諦めたように手を伸ばし、私の首にしがみついた。
ルーファスと、セドリックの知り合いのお茶会に出かけたのはその一月後だった。私のことなんて見ていないセドリックは、ルーファスを皆に自慢したくてしかたがなかったようだ。褒められすぎて居心地は悪そうだが、ルーファスも満更でもなかったようだ。
そして、私の要注意人物記録用紙にセドリックの名前が一つ加えられたとだけ、報告しておこうと思う。
〈Fin〉
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