Guns of Silence

前書き

私は死ぬ。
それは今この瞬間かもしれないし、明日かもしれないし、はたまた80年後かもしれない。
命を持つ全ての生物が決して逃れることのできない定め。
その唯一で絶対的な存在は、古来より神としてでなく、その「客観的事実」が映し出す美しさによって、芸術へと昇華されて来た。
だが私の実感している「死」は、そんな立派なものではない。
恥ずかしい話、近頃その「死」が様々な方向から差し迫っているように思えるのだ。
先日、酒に酔っ払って無意識のうちに頭を強打した、痛みは一切残っていなかった。
自らの考えをまとめるために文章を書いてみた、面白みがなかった。
人生で初めて理解できない課題を与えられた、０点を取った。
そうして私は、肉体的にも精神的にも知能的にも「死」を実感するのであった。
今もしかしたら本当は生きていないのかもしれない。
今もしかしたら僕が見ているものは夢なのかもしれない。
ただそれを肯定も否定もできないのは、この生涯を通じて経験して来たことに大きな意味が無いからである。
だからだろうか、ついぞこの間人類が滅亡した世界は元の美しい自然の形を取り戻すという見解を学んだ時、ある一つの考えが脳裏をよぎった。