万引き

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万引き

小学四年に上がった。 色々訳があって学校に行かなかった俺だが、 ある日オカンにいくらなんでも学校に行けと言われ、渋々学校に行く事になった。 だが、当時の俺は「大人とはコミュニケーションが取れるのに何で同年代とは取れないんだろう?」と常日頃疑問に思っていたが、それは大人が俺に合わせてくれていたからだ。 同年代が合わせてくれる訳もなく、協調性に欠けていたからコミュニケーションが取れなかったのだと今なら理解できる。 それでも、何度か学校に行く内に何だかんだと友達はできた。 その友達の名は斎藤といって、親が銀行員か何かでお金持ちだった。 常にお小遣いなんかは三千円以上所持していた。 俺はその金額を見た時、斎藤に尊敬の眼差しを向けた。 何故なら俺の家系でお小遣いを貰うにはある決まりがあって、それが普通だと思っていたからだ。 その普通になった経緯についての話はこうだ。 これは今でも印象に残っている言葉で、当時住んでいたマンションの下には公園があり、近所の子供と良く遊んだ。 そして保育園の年長になったある日、皆がお小遣いを持ち、近くの駄菓子屋で買い物するのが流行ったのだ。     
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