第一話

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 日付が変わる深夜0時。 「時間です。」 軍服に身を包んだ三人の男がそこにはいた。 「こちらの制服に着替えたらエントランスに来てください」 有無を言わさぬという圧、僕にはもう命令に従うほかないのを分からされたような気がした。 制服は簡単な作りで着替えるのに一分もかからなかった。 エントランスに向かう足は軽かった、どうにでもなれというか、もう考え事をしないよう心がけた。 「何も言わずに行くつもりか」 聞きなれた声がする。 なんでこんな時間に、こんなところに、僕が口を開くまえにショウは続けた。 「お前、昔から嘘へたくそなんだよ、気づくにきまってんだろ」 だけど、ここで歩みを止め振り返るわけにはいかない。 「マリーも気づいてたよ、ここには来てないけどな」 進めなくなってしまう。 「マリーも俺もわかってた、永遠にこの生活が続くわけじゃないって。だれかいなくなるって」 もう戻れない。 「だけどな、俺らが過ごしたことが消えるわけじゃねえ、お前がここからいなくなっても、お前と過ごしたことが消えるわけじゃないんだよ」 エントランスのまえにつくと、重厚なシャッターがおりてきた。 「生きろよ。ーーー」 振り返るとそこにはもう無機質なシャッターしかなかった。
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