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僕らはどんな物語にも登場できない。
それこそ、作り手を僕らは自ら殺してしまうから。
僕らは物語へ生み出される前に死んでしまう。
『この感情は何と言うのだろうか』
ココロがモヤモヤチリチリと歪む。
『そうだなー。“羨ましい”?』
『まさか。こんな人間の作り出した、ただのキャラクターごときに羨ましいなんて感情は持たない』
『でも、僕らも誰かの物語として生まれたかったのかもね』
『……』
そんな時にあることを思いついた。
誰かの物語を作らせて、それを現実にして、僕らは其処の世界の住人となろう。
そうすれば、その世界は僕らのストーリーとなる。
『いい事を思いついたよ』
『え、何々? 聞きたい』
僕らは内緒の計画をした。
『ここは僕らの世界だ』
『やっと手に入れられたんだ』
『だからずっと書いてもらうよ』
『誰も知らない、見てもいない。そんな孤独な“響き”を』
《君が死ぬまでずっと》
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