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「出来た」
あれからふたつきという時が経ったであろうか。
遂に出来た。
最後の作品が。
『“Kyouto”Project』
それがタイトルだった。
狂都・凶都・郷都・境都を廻る物語。
愚かで、虚しい、そんな群青劇。
いかにも私らしいと思う。
はははと乾いた笑いがこぼれた。
さぁ、やれることはやった。
私を終わりにしようじゃないか。
『駄目だ』
『お前にはまだ役割を終えては居ない』
目の前にまた彼らが現れる。
「もう、終わらせたはずだ。これで私の人生は幕を下ろす」
『そんな陳腐なエンドなんて認めない』
『まだ、幕を下ろすのは早いよ』
《さぁ、終わらない物語の続きを始めよう》
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