魔法使いになった僕

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 ヘビーゲーマーだった僕は、生活と夢の両立のため、ゲームを買う余裕が無かった。  テレビCMで基本プレイ無料というネトゲの存在を知った。  ネトゲは月額ものというイメージしか無かったが早速やってみた。  TRPGのように人間同士でパーティを組んで遊べる‥‥ハマッた。  そして、僕は恋をした。  経験値効率を考えても、僕と彼女のキャラは相性が良かった。  毎日のように彼女とペア狩りしつつ、ストーリーイベントをクリアしていった。  そしてラストダンジョン実装。  ちょうど、そこまでストーリーを進めていて最高のタイミングのアップデート。  これがえげつない仕様で20人くらいのパーティを組まないと進めない上に、セーブポイントまでが長い。  彼女は運悪くフリーズ落ちしてしまった。  僕は何とかセーブポイントに辿り着けた。  翌朝、運良く休みやって、セーブポイントからラスボスを倒すパーティに混ざれた。  まさかの使用キャラ別の最速クリア賞の翼をGET。  そして、彼女のクリアを手伝うため、傭兵としてクリアまで付き合った。  エピソード2の実装まで、レベル上げしかやる事が無くなって、僕は退屈し始めた。  そして、別のネトゲに彼女を誘った。  ゲームそのものは実は面白くない。  異様にレベルアップがキツイ。  ただただ、ギルド対戦が熱いだけで持っているネトゲ。  彼女は、あまり対戦を好まない上にプレイヤースキルも高くはない。  僕もPSは中の上といった所やけど。  そのネトゲを選んだ大きな理由‥‥結婚システム。 「誰でも良いから結婚しようよー」  と、ギルメンのお誘いに「心に決めた人がいるので‥‥」と断った。  そして結婚資金が貯まってプロポーズ! 「私、男なんです‥‥」  丁寧な口調で女性だと思い込んでた。  そのゲームでも女性キャラを使っていた。  悪意のないネカマさんやっただけでもマシ。  悪意あるネカマは、恥ずかしいセリフなどをアップして笑い者にしたりする。  彼女‥‥彼はログインが減っていった。  どうやら前のネトゲでレベ上げしてるらしい。  僕は無課金最強を目指して頑張った。  ネトゲ界では、無課金最強といえば‥‥と言われるくらい伝説を作った。
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